キューンル＆ホイヤー　フリューゲルホルンについて

KUHNL & HOYER とは

KUHNL & HOYER（キューンル＆ホイヤー）は、1948年にドイツで設立された金管楽器メーカーで、創業以来トランペットやフリューゲルホルン、コルネット、トロンボーンなどを手がけてきた。本社はバイエルン州の Markt Erlbach にあり、製作には伝統的な手仕事と精密技術が両立されている。

ブランド名の「K & H」は創業者 Adolph Kühnl と Emil Hoyer に由来する。

フリューゲルホルンの特徴と仕様傾向

• KUHNL & HOYER のフリューゲルホルンはロータリー・バルブ式を採用するモデルがあり、高精度で安定した動作が期待できる。
• ボア（内径）はおよそ 11.0 mm 程度という情報があり、これはロータリーフリューゲルとしては比較的標準的なサイズである。
• ベルサイズは典型的なものとして 160 mm 程度の例が見られる。
• 材質や仕上げバリエーションが豊富で、ゴールドブラス製ベルやクリアラッカー仕上げなどモデルによって異なる。
• 一部のモデルには、フリューゲルホルン用のリードパイプとトランペット用リードパイプ、両方が付属するものがあり、奏者が好みによってセッティングを変えられる設計がある。

音色と演奏性

KUHNL & HOYER のフリューゲルホルンは、ロータリー・バルブを使うことで滑らかで温かみのある音色を実現しやすい。中低域に厚みがありつつ、レスポンスも良いため、ジャズや吹奏楽、室内音楽など幅広いジャンルでの使用に適している。

また、手仕事による調整が重視されているため、個体ごとに微妙な吹き心地やフィードバックの違いがある可能性がある。これは高品質な楽器の証であり、演奏者の表現力を引き出せる強みでもある。

買取・査定時に重視すべきポイント

KUHNL & HOYER フリューゲルホルンを売却・査定に出す際には、以下の点をチェックすることが重要。

1. 刻印・シリアル
   K&H 名義、モデル名、シリアル番号が明確に刻まれているか。真贋や製造年代の確認材料になる。
2. 弁機構の状態
   ロータリー・バルブの遊び、軸のガタつき、リンク機構の摩耗などをチェック。
3. スライド・チューニング管の可動性
   滑りが悪くないか、固着がないかを確認。スムーズであることが望ましい。
4. ベル・主管の凹みや変形
   外観に大きな凹みや変形があると査定額が下がる。
5. 仕上げの状態
   ラッカー剥がれ、変色、傷などがないか。外観の良さは買取評価に直結。
6. 付属品
   オリジナルケース、交換用リードパイプ（トランペット用／フリューゲル用など）、マウスピースなどが揃っているか。
7. 音出し確認
   実際に吹いて音程、倍音バランス、レスポンス、音抜けの良し悪しをチェック。
8. 修理・整備歴
   過去にオーバーホールや修理があるか。整備記録があれば信頼性が高まる。

買取時の注意点とアドバイス

• KUHNL & HOYER はトランペットやトロンボーンでの知名度が高いため、フリューゲルホルンモデルは流通量が限定的となる可能性がある。
• 専門性の高い金管楽器店、特にドイツブランドに詳しい店舗で査定を受けるのが望ましい。
• 写真を撮る際は刻印、ベルの裏側、バルブ部、スライド部を詳細に記録しておくと査定がスムーズになる。

代表モデル例

• K & H TLF‑GM （フリューゲルホルン トップライン）
  K&H のトップラインシリーズに属するフリューゲルホルン。リードパイプの切り替えが可能で、パワフルかつレスポンスのある設計。