金管楽器

カンスタル　フリューゲルホルン

KANSTUL

カンスタル　フリューゲルホルンについて

カンスタルのフリューゲルホルンが持つ独自の存在感

アメリカ・カリフォルニア州アナハイムで創設されたKANSTULは、職人ジグ・カンスタルによって1981年に設立されたブランドである。彼はかつてビンセント・バック社で製造責任者を務めた経験を持ち、その確かな技術と設計哲学を継承して自社ブランドを立ち上げた。KANSTULは、トランペット、コルネット、フリューゲルホルンをはじめとした金管楽器全般の製造で知られ、とくにアメリカ製ハンドクラフトらしい精密な仕上げと安定した音程精度で評価を得ている。

 

 

歴史に根付くアメリカンクラフトの伝統

カンスタルは創業当初から「ハンドメイドによる理想的なレスポンスと音の深み」を追求したブランドとして発展した。1980年代から1990年代にかけて、プロ奏者の意見を取り入れながら設計改良を重ね、アメリカ国内の吹奏楽団やジャズアンサンブルの定番機種として高い地位を確立した。2019年に創業者ジグ・カンスタルが逝去し、工房は閉鎖されたものの、彼の遺した設計思想は現在も多くのプレイヤーに受け継がれている。

 

 

フリューゲルホルンの特徴と設計思想

カンスタルのフリューゲルホルンは、柔らかく温かみのある音色を実現するため、ベル材やボア径、リードパイプの形状に独自の工夫が施されている。ベルはワンピースのハンドハンマー製が多く、管厚が薄めに仕上げられており、息の通りが滑らかでダークトーンが得やすい設計になっている。

 

代表的なモデルとしては、KANSTUL 1525、KANSTUL 925、KANSTUL 925Sなどがあり、いずれも精度の高いバルブアクションと豊かな響きを両立している。1525はやや大きめのボアサイズを採用し、より開放的なブラスサウンドを生み出すモデルとして知られる。一方で925は繊細な音作りを得意とし、クラシック寄りの奏者にも愛用されてきた。

 

 

音色と演奏感の魅力

カンスタルのフリューゲルホルンは、深く甘い音色が特徴で、ジャズプレイヤーの中でも特に人気が高い。息を軽く入れてもすぐに音が立ち上がり、音の輪郭が柔らかく広がるため、アンサンブルの中で自然に溶け込む。中低音の響きは特に評価が高く、音の芯がしっかりしていながら包み込むような温かみを持つ点が、他のブランドにはない魅力とされている。

 

また、KANSTUL独自のバルブ精度の高さも演奏感に大きく影響している。軽やかで滑らかなアクションにより、速いフレーズでも反応が遅れることがなく、プレイヤーが求める微細なニュアンスを忠実に表現することが可能だ。

 

 

素材と仕上げによる個性

KANSTULのフリューゲルホルンには、イエローブラス、ゴールドブラス、ローズブラスなど複数の素材が用意され、それぞれ異なる音色傾向を持つ。イエローブラスは明るく軽快な響きが特徴で、ジャズコンボなどに適している。ローズブラスは倍音が豊かで、柔らかく艶のあるトーンを生み出す。一方でシルバープレート仕上げのモデルは、輪郭のはっきりした音色と反射の少ない柔らかさを両立している。

 

これらのバリエーションによって、奏者の演奏スタイルや音色の好みに応じた選択が可能となり、KANSTULが多様な音楽ジャンルで支持される理由の一つとなっている。

 

 

買取査定で注目されるポイント

KANSTULのフリューゲルホルンはすでに製造が終了しているため、中古市場では希少価値が高く、状態の良い個体は高額で取引される傾向がある。査定の際に特に重要とされるのは、以下の要素である。

 

  1. ベルの状態
    凹みや歪みがなく、ハンダ剥がれの修理跡がないか確認する。
  2. バルブアクションの精度
    バルブの摩耗、オイル詰まり、ガイドのずれなどがないかチェックする。
  3. ラッカーやメッキの状態
    変色や剥がれ、腐食が少ないほど査定に有利。
  4. 刻印の明瞭さ
    KANSTULの刻印がはっきり残っているか。
  5. 付属品の有無
    純正ケース、マウスピース、整備記録などの付属品が揃っていると評価が高まる。

 

これらを満たす個体は、コレクターやプロ奏者からの需要も高く、製造終了後も安定した買取相場を維持している。

 

 

買取をスムーズに進めるための手順

  1. 楽器の外観と動作を確認し、簡単な清掃を行う
  2. シリアル番号やモデル名を記録しておく
  3. 専門店や管楽器買取業者に見積もりを依頼する
  4. オーバーホール歴や修理履歴がある場合は必ず伝える
  5. 査定結果を比較し、信頼できる店舗を選ぶ

 

希少なアメリカンハンドメイドホルンとして、KANSTULのフリューゲルホルンは今なお高く評価されている。美しい音色と職人技の結晶を手放す際には、専門的な査定を受けることが大切だ。

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お知らせNEWS

2024.12.21

年末年始休業のお知らせ

拝啓　師走の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り、心より感謝申し上げます。

さて、誠に勝手ながら、弊社は下記の期間を年末年始休業とさせていただきます。

【休業期間】
2024年12月25日（水）～2025年1月5日（日）

休業期間中にいただきましたお問い合わせにつきましては、1月6日（月）より順次対応させていただきます。お急ぎのご用件がございましたら、休業期間前にご連絡いただけますと幸いです。

本年中のご愛顧に深く感謝申し上げますとともに、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
来年も変わらぬお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

敬具

2024.06.01

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いつもKiNKaN（キンカン）をご利用頂き、誠にありがとうございます。
誠に勝手ながら2024年6月1日より、営業時間を下記のとおり変更いたします。

 

■変更前10：00～18：00

■変更後 9：00～18：00

 

引き続きご愛願賜りますようお願い申し上げます。