金管楽器

ケノン フリューゲルホルン

Couesnon

ケノン フリューゲルホルンについて

Couesnon ケノン フリューゲルホルンの魅力と歴史


Couesnon ケノンはフランスを代表する老舗金管楽器メーカーとして知られ、その歴史は1827年にまで遡る。創業者オーギュスト・ギシャールが設立した工房を起点に、19世紀半ばにはフランス国内外の吹奏楽団や軍楽隊に多くの金管楽器を供給した。後にギャウロ社やトリエベル社を吸収し、Couesnon et Cieとして一大楽器メーカーへと成長した。同社はパリやシヤトー=ティエリに工場を構え、1910年代には約千名を超える職人が在籍していたと伝えられている。

 

Couesnon の名が特に輝きを放ったのは、フリューゲルホルンをはじめとする金管楽器の分野である。独自のベル設計と繊細なバルブメカニズムにより、柔らかく艶のある音色を生み出すことで多くのプロ奏者を魅了してきた。特にパリ音楽院や軍楽隊の指定モデルとして採用された実績もあり、フランス国内では長く信頼を集めたブランドである。

 

 

Couesnon フリューゲルホルンの特徴


Couesnon フリューゲルホルンは、他ブランドと比較しても独自の音響構造を持つ。ベルは比較的薄い真鍮素材で作られ、柔らかい振動を生むことで豊かな中低音域を生み出す。ベル径は約160ミリ前後のものが多く、現代的なモデルよりもやや小ぶりな設計となっている。これにより、音の立ち上がりが滑らかで、クラシックやジャズのアンサンブルにおいても存在感を保ちながら他の楽器と溶け合う音を実現している。

 

Couesnon の代表的なモデルには「Monopole」シリーズがあり、これは同社を象徴する高級ラインとして知られる。職人による手仕上げのベルや、精密なピストン調整により音のムラが少なく、安定した吹奏感を実現した。中でも1960年代以前に製造された Monopole フリューゲルホルンは、ヨーロッパの多くのジャズミュージシャンに愛用された逸品とされる。

 

また、Couesnon のフリューゲルホルンは、他ブランドと異なり独特のマウスパイプ設計を採用している。リードパイプがやや長めに取られており、息の流れがスムーズで抵抗感が少ないのが特徴だ。この設計は、プレイヤーが自然な息の流れで豊かな響きを得られるよう意図されており、Couesnon 独特の優雅な音色を支えている。

 

 

製造と品質


Couesnon のフリューゲルホルンは、シヤトー=ティエリ工場で長年製造されてきた。そこでは熟練職人による手工工程が徹底され、各パーツの調整や組み立てはほぼ手作業で行われていた。ピストンの精度は高く、滑らかな作動感を長期間維持することができると評判だった。さらに、ベルのハンマリング(打ち出し)作業では、金属の厚みを均一に保つことで音響の均整を取る伝統技法が継承されていた。

 

Couesnon は1979年の工場火災で多くの資料と設計図を失ったものの、その後PGM社によりブランドが再生され、現在でも小規模ながらフランス国内で金管楽器の製作が続いている。古いフリューゲルホルンは製造年代や職人の違いにより個体差が大きく、同じモデル名でも音色や吹奏感が微妙に異なることが多い。そのため、中古市場におけるCouesnon製フリューゲルホルンは一点ものとして扱われることが多く、コレクターやジャズ奏者の間で高い人気を誇る。

 

 

Couesnon フリューゲルホルンの音色と評価


Couesnon のフリューゲルホルンが支持される最大の理由は、その独特の音色にある。ベルの振動が柔らかく、暖かみのある響きを放つため、ソロでもアンサンブルでも存在感を示す。特に中低音域の豊かさは際立っており、音が「包み込むように広がる」と評されることが多い。ピストンレスポンスも非常に滑らかで、発音の遅れが少なく、繊細な表現にも対応できる。

 

ジャズトランペッターにとってCouesnon は特別な存在であり、1960年代には多くのフランスやアメリカのミュージシャンが愛用した。今日でもCouesnon製フリューゲルホルンは「フランス的な柔らかさ」を象徴する楽器として評価が高い。

 

 

買取査定で注目されるポイント


Couesnon フリューゲルホルンを売却・査定に出す際には、以下の点を重点的に確認するとよい。

 

ベルに刻まれた「Couesnon Monopole」などの銘刻印、製造番号、仕上げ状態は真贋や製造年を判断する重要な手掛かりとなる。ラッカー剥がれやメッキの摩耗は査定額に影響するため、清掃や軽微な研磨で印象を良くすることが望ましい。

 

また、ピストンの動作やフェルトクッションの摩耗、バルブケーシングのガタつきは査定時に細かく確認される。ピストンが軽やかに作動し、息漏れがない状態を保てていれば評価は高い。

 

オリジナルのケースやマウスピース、当時の保証書が揃っていればさらに査定アップにつながる。Couesnon フリューゲルホルンは製造年代が古いほど希少性が増すため、1950年代以前の個体は特に高額で取引される傾向がある。状態次第では現行モデルを上回る評価を得ることもあり、丁寧に保管されたヴィンテージ個体は査定市場で高く評価される。

 

 

まとめ


Couesnon ケノンのフリューゲルホルンは、フランス金管の伝統を体現する存在であり、音色の柔らかさと独自の設計思想が生み出す響きで長年愛されてきた。現存する個体は数が限られ、今では希少なヴィンテージ楽器としてコレクターからの需要も高い。柔らかく温かみのある音色を求める奏者にとって、Couesnon のフリューゲルホルンは今なお特別な存在であり続けている。

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2024.12.21

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