エルクハートコーン　バストロンボーンについて

C.G. Conn ブランドの概要とエルクハート工場

アメリカ・インディアナ州エルクハートで創業された C.G. Conn は、1875年にチャールズ・ジェラルド・コーンが設立した金管楽器メーカーです。創業以来、質の高い管楽器製造により欧米の吹奏楽団やオーケストラで広く使われてきた歴史があります。現在は Conn-Selmer のブランド下で生産が続けられており、いくつかのモデルは「Elkhart Elkhart USA」と銘打たれ、伝統の設計や素材を維持しています。

バストロンボーンの歴史的モデルと設計の変遷

• バストロンボーン（低音トロンボーン）の分野において、Conn は “62H” や “70H／72H” など、児流用・プロ用途を問わず高く評価されるモデルを製造してきました。
• 例えば 72H は 70H の改良型であり、ベルのチューニングやスライドの長さ、管体の比率を調整した設計がされています。特に F 管アタッチメントの延長管を持つものもあり、低い C を出す仕様が加わることもあります。
• また “12H” といったレアモデルでは、通常のロータリーバルブ式ではなくピストンバルブ式の F アタッチメントを持つものなど、過去の独自設計が見られます。こうした設計は演奏感・操作性においてユニークとされます。

主要な設計と音響上の特徴

以下は C.G. Conn のバストロンボーンで共通または代表的な特徴です。

見分け方と査定時にチェックすべきポイント

バストロンボーンを買取に出す際、以下の点を確認しておくと査定額に影響します。

1. 型番／モデル名
   62H、70H、72H、112H などモデルによって需要と相場が大きく異なる。
2. 製造年・刻印
   “Elkhart USA” の刻印／シリアル番号。古いモデルはビンテージ価値あり。
3. スライドの状態
   内管の摩耗、凹み・縦に歪みのないか、滑らかさが保たれているか。
4. バルブやアタッチメントの動作
   F 管・Gb 管など附属管が正常に作動するか、バルブの抵抗感・漏れの有無。
5. 仕上げ・ラッカーの状態
   ラッカー剥げ・変色・凹み・キズ。見た目は第一印象として査定に影響。
6. 付属品
   マウスピース・ケース・元箱などがあるとプラス評価されることがある。

買取を検討する方向けの簡単な流れ

• • 型番・製造番号・モデル名・素材・付属品等の情報を写真で複数撮影する

• 動作品かどうか，スライド・バルブの動き・鳴り・音程などを確認する
• 複数の楽器店・買取業者に査定を依頼し比較する
• 重い・大きい楽器なので輸送や持ち込みの可能性・費用も考慮する

おすすめモデルと注目ポイント

• 112H　F／Gb の独立バルブを持ち，10インチ ローズブラスベルで豊かな低音とプロフェッショナルな仕上げを備えるモデル。現行品で評価が高い。
• 62H　ダブルロータリーの附属管を持つモデルで，音色の柔らかさとオケでの馴染みやすさが魅力。
• 72H（ヴィンテージ）　70H 系と似ているが改良が加えられ，軽量化・操作性の向上が図られている。所有する場合はコンディション重視。

総括

C.G. Conn エルクハートのバストロンボーンはその歴史・素材・設計の豊かさから，プロフェッショナルにも愛される楽器です。持っているまたは売却を検討している個体が，どのモデルであるか・コンディションがどうかによって査定額が大きく変わります。情報を整理し，可能な限り保存状態が良ければ，高値査定になる可能性があります。