ベッソン　バストロンボーンについて

Besson の歴史とブランド概要

Besson は 1837年に Gustave-Auguste Besson によってパリで創設された管楽器メーカーで、その後ロンドンにも拠点を持ち、吹奏楽およびブラスバンドの分野で非常に高い評価を得ているブランドです。多数の発明を行い、楽器設計の先駆者のひとつとして知られています。現代では Buffet Crampon グループに所属し、プロフェッショナル向けとアマチュア向けのラインナップを持つメーカーです。

Besson バストロンボーンの特徴

バストロンボーンはテナートロンボーンより太いボア（管内径）と大きなベル（ベル径）をもち、低音域を豊かに、重厚に響かせることができる楽器です。

Besson の歴史的／現存モデルにおいて、特に古いロンドン製 F Besson の “Bass Trombone in G” の例では全長約1,308ミリメートル、ベル径約203ミリメートルという仕様が確認されています。これは、音響の豊かさと共に操作性・重さのバランスが取られた設計のひとつです。

また、Besson の G バストロンボーン（英国ブラス・バンド文化で用いられたタイプ）では、ボア径（スライドの径）が 12.3～12.8ミリメートル前後のモデルが使われていた記録があります。これにより滑らかな音の通りと吹きやすさが一定の基準で保たれていました。

ベルの材質やスライドやバルブの形状、仕上げの銀メッキやラッカーなどがモデルによって異なり、響きの明瞭さ・耐久性・手入れのしやすさに影響します。

Besson バストロンボーンの歴史的役割と変遷

• 19世紀後半から 20世紀初頭にかけて、英国ブラスバンドや軍楽隊で G調のバストロンボーンが中心に使われていました。滑らかな音や伝統的な響きが求められていた時代です。
• その後、演奏曲目やオーケストラでの要求の変化、低音域や音圧、操作性の向上を求める声に応じて B♭／F 調のバストロンボーンや複数のバルブを持つモデルが普及するようになりました。
• Besson 自体も製造拠点や所有形態の変化を経験し、現在ではプロ用の上位モデルがドイツ・フランスなどでの製造、学生向け／入門向けモデルは他国での生産を含めて展開されています。

査定で重視されるポイント

買取査定においては以下の点が重要です。

1. メーカー刻印・モデル名・シリアル番号偽造品や模造品の混入例があります。本物の Besson かどうか確認する最初の手がかりです。
2. 調子（キー）とボア径・ベル径
   G／F／B♭ 調のどれか、ボアがどのくらいか、ベル径がどのくらいかで価値が大きく変わります。特に古い G バスで状態良好なものは希少価値があります。
3. 仕上げの状態
   銀メッキやラッカー、凹み・擦れ・腐食など。音響・見た目・保管状態への影響が査定額に直結します。
4. スライドやバルブの動作
   滑らかか、引っかかりがないか、バルブの漏れや不具合がないか。音質・演奏性に大きく関わる部分です。
5. 付属品
   ケース・マウスピース・スライドオイルなどが揃っていれば査定額アップになることがあります。
6. 歴史／希少性
   製造年（特に古いモデル）、限定モデル、英国ルーツの “G” モデル、または有名プレーヤーが使用していたモデル等。

あなたが持っている Besson バストロンボーンを査定に出すなら

製品名・シリアル番号を含めた写真を数枚撮ることをおすすめします。全体像、ベル内部、スライドの動き、刻印部分などを正確に見せられると良いです。信頼できる買取店に、上記の査定ポイントを伝えた上で無料査定を依頼すると、納得できる見積もりが出る可能性が高まります。

結論

Besson のバストロンボーンは歴史と性能を兼ね備えた楽器で、特に古い G 調モデルや状態の良いものは高値が付くことがあります。一方、状態や付属品が劣るものはその分査定額が下がります。持っている個体がどのような仕様・状態かを把握しておくことが、良い買取条件を引き出す鍵です。